会長挨拶
- 第17回日本血液疾患免疫療法学会学術集会
会長 村田 誠
(滋賀医科大学 内科学講座 血液内科 教授)
このたび、第17回日本血液疾患免疫療法学会学術集会を2025年9月12日(金)、13日(土)の2日間、ピアザ淡海(大津市)で開催させていただくこととなりました。
血液腫瘍に対して免疫療法が有効であることは、骨髄移植後の移植片対白血病効果の存在により古くから証明されていました。その後、CD20抗体を始めとする数々のモノクローナル抗体や、腫瘍細胞表面上の抗原とT細胞表面上のCD3を結合する二重特異性抗体の開発、そしてCAR-T細胞の開発など、血液腫瘍性疾患に対する免疫療法は実臨床において急速に拡大しています。また、急性GVHDに対する間葉系幹細胞や、慢性GVHDに対する体外フォトフェレーシスなども、すでに保険診療として実施されています。そして最近では、PNH、TTP、血友病など血液非腫瘍性疾患に対する抗体療法の開発も進んでいます。このように腫瘍・非腫瘍を問わず広く血液疾患全般に対する免疫療法の開発が進められている現状を踏まえ、本学術集会のテーマを「New Horizons in Immunotherapy 免疫療法の新たな展望」としました。
特別講演として、T細胞療法のパイオニアであられるFred Hutchinson Cancer CenterのStanley R. Riddell先生、注目の光免疫療法を開発されているNational Institutes of Healthの小林久隆先生のご登壇が決まりました。GVHDをテーマとしたシンポジウムでは北海道大学の橋本大吾先生、徳島大学の松岡賢市先生より、またCAR-TをテーマとしたシンポジウムではStanley R. Riddell先生、Mayo Clinicの酒村玲央奈先生、名古屋大学の寺倉精太郎先生よりご講演を賜ります。さらに各セミナーでは信州大学の中沢洋三先生、岡山大学の遠西大輔先生、愛媛大学の越智俊元先生よりご講演を賜ります。そして、この分野がますます発展するためには、免疫に興味を持つ若い医師、研究者の参入が不可欠だと考えます。本学術集会がその契機となることを期待して、対面での一般口演を復活させ、奨励賞を設けます。一日目の夜には懇親会も開催いたします。
一人でも多くの方々に秋の琵琶湖畔へお越しいただき、本学術集会を楽しまれることを心より願っております。
2025年4月